古川 健介取締役 兼 新規サービス開発室長

大学在学中に、学生向けのインターネットコミュニティーや、レンタル掲示板の立ち上げを経験。
その後、リクルートでの新規事業担当などを経て、2009年よりハウツーサイト「nanapi」運営会社の代表取締役に就任。
3社の合併後は、Supershipの新規サービス事業を統括。

世の中に大きなインパクトを与えられる方が面白い

私は、もともと「nanapi」という会社を起業し、そこから買収を経て、Supershipに入社したという経緯を持っています。そもそも、起業したきっかけは、「みんながやっているからなんとなく」程度の軽いものでした。さらに、そこで自分が社長を務めたのも、他のメンバーから「登記手続きなど事務作業を任せられる人間がけんすうしかいない」と言われたから、という非常にゆるいスタートでした。

当時は、インターネットで個人がサービスを作るブームがあり、その流れの一環程度に考えていました。もちろん自分の中では、やるからにはYahoo!JAPANみたいな大きなサービスをつくりたいという思いがずっとありました。世の中に与えられるインパクトが大きい方が、面白いと思っていたからです。

 

今のインターネット業界は狭間の時期

今のインターネット業界を考えると、ちょうど狭間の時期だと考えています。これは、2007年頃にも同じ感覚を感じていました。
当時は、Web2.0ブームも一段落しておりましたし、FacebookなどのSNSはプラットフォーム化しておらず、スマートフォンもiPhoneが出たばかり、という状況です。
そんな中では、何をやっても、新しいものは生み出されづらく、スタートアップベンチャーにはチャンスが少ない時代でした。
おそらく、数年後には、VR(バーチャルリアリティ)やブロックチェーンなどの新しい流れによるブームが来ると思います。タイミングとしては、早期に参入するにはちょうどいいが、体力がないベンチャーなどには、生き残りが難しい時期ともいえます。

そんな中、Supershipでは、KDDIグループとしての背景もあり、逆にチャンスが多いのではないかと感じています。
その理由としては、新しい時期が来る直前の、一番大きな波を作れるタイミングだからだと考えています。そもそもGoogleもFacebookも、もともとはかなり後に参入したサービスでしたが、出来上がった市場を追いかけた結果、今の規模に成長しています。我々も彼らと同じように、一気に事業規模を拡大できるタイミングがあると考えています。

 

何をやっているか

そんな状況の中、Supershipのサービス事業として、今なにをやっているかお話したいと思います。Supershipでは、主にメディア事業とコミュニティ事業という2つの領域に注力していきます。

インターネット上のメディアというと、20年以上前からある存在であり、インターネットビジネスの中でも古い形態の事業にあたります。しかし、インターネットメディアが、ビジネスとして成立してきたのは、ここ数年ではないかと思っております。アドテクの進化や、スマホシフトによるライトなユーザーの参加、若い世代の主要メディアとしてのモバイル、など、環境が整ったことで、ネットメディアに注力するには、適したタイミングなのではないかと考えています。

Supershipでは、10万件以上の豊富なライフレシピを持つ国内最大のハウツー情報サイト「nanapi」をはじめ、グローバルメディアの「IGNITION」、起業家の生の経験談を共有する「The First Penguin」などの多様なメディアを展開しています。
コミュニティ事業では、チャットコミュニティアプリ「アンサー」のほか、様々なアプローチから幅広く新規事業を検討しています。

 

ユーザーと一緒にサービスを作り、時代の流れを読む

個人の意見としてですが、サービスの作り方としては、ユーザーと一緒にサービスを作るように心がけるといいのではないかと考えています。特にコミュニティサービスはユーザー自身も作り手です。自分たちが提供して使ってもらう、という意識ではなく、ユーザーと一緒に作るという意識が重要なのではないでしょうか。
その意味では、サービスが独りよがりになってしまわないようにすることを気をつけています。時代に合わないサービスやユーザーが求めていないサービスは、やっても意味がないと思っています。

例えば、GmailやYahoo!メールがこれだけ普及している世の中で、今からメールサービスを作ってもユーザーを増やすのはとてもむずかしい。それらのサービスですでに満足してしまっているからです。いくらメールサービスが作りたい!と思っていても、Gmailの二番煎じのようなものを作っても、とうてい支持を得ることはできません。
自分たちがやりたいことに加えて、できること、そして世の中から求められているものを作る、これがサービス事業においてとても重要だと考えています。

加えて、5つあるSupershipのバリュー(行動指針)のうち、サービスづくりにおいては、「Super focus」、「Super simple」の2つを重視しており、注力すべきものに集中するようにしています。

 

この仕事は「隣で働く仲間」と「ユーザー」の区別がつかない人が向いている

どういう人がSupershipでサービスづくりに向いているかというと、隣で働いているメンバーの意見とユーザーの意見との区別がつかない人や、インターネットの中での生活の割合が大きい人が向いていると思います。

私個人で申し上げると、インターネットでの自分のほうが、より自分らしいと感じますし、インターネットがあるからこそ、自分の世界が広がっていると感じます。現実の世界のほうが自分らしいと思う人は、現実の世界でのサービスでも作っていればいいわけで、インターネットのサービスを作るのであれば、インターネットの世界に住んでいる人のほうが向いているのではないでしょうか。

私は、人間の肉体というのはインターネットにつなぐためのデバイスにすぎないと感じており、21世紀はインターネットという存在を通じて、人類全体がつながることで、一つの思念体を作り上げていく過程になると思っています。つまりインターネットが生まれて初めて、人類が一つになりつつあるわけで、インターネットに出会うためにこの世界は創造されたのではないかと考えています。

個人的には、何を言っているのかよくわからない人が好きです。その人からすれば合理性があることでも、他人から見たらわからないというのはある意味狂気だと思います。社内のデザイナーにも、ひたすら動物の骨のアイコンを作っている人がいますが、そんな「人と違うこだわり」を持っている人は面白いですね。

今は、誰かの何気ないツイートが世の中に大きな影響を与えるきっかけになるように、どんなに小さな行動でも世界を変えることが出来ます。
そんな風に、世の中にインパクトを与えたいと思っている人をお待ちしています。