大朝 毅代表取締役副社長

KDDIコンテンツメディア本部ポータルビジネス部長、KDDI子会社のmediba代表取締役社長を経て、 Supership代表取締役副社長に就任。同社の経営方針策定や経営資源管理を担う。

髙橋 誠KDDI代表取締役執行役員専務
(Syn.ホールディングス代表取締役社長)

2010年よりKDDIの代表取締役執行役員専務に就任し、同社の新規ビジネスや コンテンツ領域、ベンチャー支援領域を統括。2015年11月には、オープン領域での 事業体制強化を目的に、KDDI子会社のSyn.ホールディングス社長も兼任。

森岡 康一代表取締役社長

ヤフー株式会社プロデューサー、Facebook Japan副代表を経て、Supership代表取締役 社長に就任。「Syn.」構想をはじめとする、KDDIのオープン領域での新規事業を推進する

すべてのものがインターネットにつながる時代が来る
―KDDIにおけるオープンインターネット事業の位置づけと、そこにおけるSupershipの役割は

takahashi_article髙橋:現代は、ユーザーとの接点が日々変化しています。もともとKDDI(au)は携帯電話をベースに日本人口の約1/3のユーザーと接点を持っていましたが、ここにきて世の中はがらりと変わってきていて、フィーチャーフォン、スマートフォンに加えて、バズワードにもなりつつあるIoT(Internet of Things)のように、ありとあらゆるものがインターネットにつながる時代が、もうすぐそこまで来ています。KDDIにとっても、au以外のユーザー接点を構築できるチャンスだと捉えています。

 Supershipには、それらインターネットにまつわる全てを取り入れた存在になってほしいと考えています。将来的にはリアルな世界での接点も含めて、日本一のユーザー接点を持つ存在を目指す、KDDIの次なるステップとしても期待して設立した会社です。

―KDDIが自ら手掛けるのではなく、あえてSupershipという別会社に託した狙いは

髙橋:KDDIでは「au」ブランドが大きなポジションを占めていて、そのブランドの中での積み重ねが事業の基本となります。一方で、オープンなインターネットの世界では、「au」というブランド色がかえって邪魔にもなりかねない、また市場的にも携帯電話というくくりだけでインターネットを語ることが少なくなってきたので、あえて別会社での推進を決めました。

 Supershipの責任者を任せることになった森岡氏とは、もともと彼がFacebook Japanにいたころから、KDDIとの協業でお付き合いがありました。当時からフェアな感覚を持っていて、人間として信頼していましたね。そのときから森岡氏は、「通信会社のアセットを使いながらもう一段階高みを見たい」「ヤフー以降、インターネットの世界で台頭するような会社が出ておらず、自分の世代で新しい文化をつくる最後のチャンスである」と口にしており、この言葉が強く心に響きました。彼自身、ビジネスでパートナーシップをつくるのがとても上手く、また「Syn.alliance」のように有力企業が集うのは非常に良い構造だと思っていたので、彼に任せることにしました。

インターネットで「よりよい」未来をつくるには
―「すべてが相互につながる『よりよい世界』の実現」というビジョンにかける思いとは

morioka_article森岡:誰もがよりよい世界をつくりたいと思っているんですが、その中でも僕らの持っているアセットは「通信」と「インターネット」なんですね。それらを通じて実現できるのが「つながる」ということ。インターネットを通じて、ヒト・モノ・サービスすべてを僕らが「つなげる」ことに意味があるんです。

 かつてはリンクでつながっていたPC時代のインターネットが、スマートフォンに移行してからはアプリによってそれぞれのサービスが分断されてしまい、スマートフォンがかえってインターネットの世界を狭めてしまったと感じました。

 しかしながら、今後IoTが普及すれば、インターネットはディスプレイを飛び越えて、その先にいる人ともつながれるようになります。インターネットを使うすべての人に幸せになってもらい、それらを通じて世界を変えていきたいと思っています。

 ひとことで「つながり」といっても、世界には「よいつながり」と「悪いつながり」の二種類があると思います。「悪いつながり」を排除して「よいつながり」だけが残れば、やがてそれらが進化してさらに便利になり、それらを使う人がもっと幸せになれると思っています。

 幸せの度合いは人によって違うので、僕らが「幸せをつくる」、と言ってしまうとすごくおこがましいですが、「よいつながり」をつくれれば、そこにいる人はそれぞれの幸せを感じることができるのではないかと思います。そんな世界を僕らは提供していきたいです。

髙橋:「つながり」はインターネットの世界だけではなく、リアルの世界にも広がっていきますよね。インターネットを通じてリアルのライフスタイルを提案することも必要になってくると思います。その点、IoTはまさに、インターネットの世界とリアルの世界を取り持つ存在と言えるのではないでしょうか。

大朝:すべてのものにインターネットがつながって、通信が当たり前になる。それをつくれるのが今の僕らのポジションだと思います。

森岡:人体の血管のようにインターネットがあらゆるところに張り巡らされると、それぞれのデバイスや機能もどんどん分化していくかもしれません。たとえばスマートフォンの電話機能とインターネット機能が分離し、耳に入れるだけの超小型電話と、インターネットや電気につながる全く別のデバイスとに分かれ、スマートフォンがなくなるという未来も考えられます。

 そして、そのような未来をただ待っているのではなく、未来を描いて先導していけるKDDIとともに、Supershipがそれを実現させていかなければならないと思っています。最近の世の中は「風待ち」の印象が強いといいますか、自ら風を起こしていないからスケールが大きくならない会社や事業が多い気がします。しかし、今は自ら風が起こせる時代なので、Supershipとしてはそこにトライしていきたいです。

大朝:Supershipは海外に羽ばたけるチャンスも十分にありますね。日本では先行して生まれてきたアドテクなどが顕著な例で、みんながなびいてくれるものを作れれば、日本のみならず世界をも変えられると思います。また携帯電話という存在も、スマートフォンによって一度ゼロリセットされているので、今はある意味全員がスタートラインに立っている状態です。そこで何ができるかを考えられるポジションにSupershipはいると思います。

髙橋:確かに国内のアプリなども、海外の媒体と接続出来れば海外展開も難しくはないと思います。Supershipがその「ハブ」になれる可能性は十分あるのではないでしょうか。

「つながり」で強さを生み出したい
―Supershipのコアたるサービスは

森岡:スマートフォントップクラスのアドテクノロジー(以下、アドテク)と、高い技術力やノウハウを活かしたサービスの2つが挙げられます。
 アドテクの中でもSSPサービス「Ad Generation」は、配信在庫が160億imp以上・導入社数1,700社以上と、スマートフォンではトップクラスの規模に成長しています。また直近では、Facebook社と世界初のSSPパートナー契約を結ぶなど、業界にインパクトを与えるような取組みも進めています。
サービス領域ではチャットコミュニティアプリ「アンサー」や国内最大級のハウツー情報サイト「nanapi」を提供するとともに、新規サービスの開発にも積極的に取り組んでいます。

―統合の狙いはどこにあったのか

森岡:もともと3社統合の狙いは、サービス・アドテク・プラットフォームを組み合わせて一つの「総合インターネット会社」になることで、それぞれが補完しあえる関係を築くことにありました。

 「総合インターネット会社」というと、日本ではヤフーとサイバーエージェントくらいで、まだプレイヤーはそう多くありませんし、その他の企業は個別領域に特化しています。
単一サービスのみでの「一本足打法」では戦えないですし、それぞれの知恵とそれぞれの領域が融合する、みんなが集まる梁山泊のような場所にしたいと思ったんです。

 実際に今では、楽天・Amazon・GREEのような有力インターネット企業出身者から、弁護士・会計士のようなスペシャリストに至るまで、ありとあらゆる人がSupershipに集まっていて、会社としてもダイナミックな動きが取れる体制が着々と整っています。

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―KDDIとのシナジーは

大朝:通信会社としてインターネットサービスを提供するのではなく、あくまで「インターネット企業」としてそれを展開することで、KDDI側によりよいノウハウやサービスを還元出来ると思っています。

 反対に、SupershipはKDDIの力を借りることで、小規模ベンチャーでは成し遂げられない大きなビジネスを、よりスピーディに実現することが可能だと思います。そういった、他社にはない圧倒的なアドバンテージをしっかりと活かすことが、次のビジネスへつながると考えています。

自分で風を起こせる人に来てほしい
―ここまで多様な人材が集まった要因は

森岡:Supershipに続々と人が集まってくるのは、僕らの会社から「なにかが生まれそう」、「風を起こしそう」というように、僕らの取組みを面白いと思ってくれている人がいるからではないでしょうか。更に言うと、「何かしたいけど一人ではできない」という人が、ここで力をあわせて頑張ろうとしているんだと思います。

―どんな人にSupershipに来てもらいたいか

大朝:Supershipには、まだまだ未熟な部分があっても、「なんとかして自分たちが時代をつくるんだ!」という気概がある人が集まっています。そんな人に来て欲しいですし、そういう人が歓迎される会社だと思います。

髙橋:「将来に対して発想が豊かな人」が来てくれるといいですね。例えば、これからもスマートフォンの時代が続くと思っている人ではなく、世の中のあらゆるものがインターネットにつながるIoT時代に対して、想像力が豊かで「なにかを起こしてみたい」と考えている人に是非来てほしいです。

森岡:一緒に夢を実現してくれる仲間を待っています。この混沌とした世の中を楽しみましょう!